資料(vol8) | 金属板 天井下地の構成
金属板天井の下地構成をご紹介します。
1.金属板天井とは
2重天井(吊り天井)の仕上げ材として、一般的に石膏ボード・ケイカル板・岩綿吸音板が採用されていますが、エントランスなど建物の顔として見栄えを求めたり、湿気の多い場所では、金属の成形板(以後、金属板)が仕上げ材として用いられています。
ここでは、金属板(方形・パネル)を想定した天井の下地構成の一例(耐風圧仕様)をご紹介いたします。標準仕様書(14.6節)では、【~下地は特記による。特記がなければ、4節(軽量鉄骨天井下地)による。】と書いてあります。個々の仕様については、特記をご確認ください。
金属板の形状は、デザインにより様々ですが、150mmx3mなどの長尺材・1mx1mといった形状があります。
2.金属板天井の下地構成例
・吊り材の構成
耐風仕様の場合、角パイプ□-19x19x1.6tを座屈防止材として3分ボルトに取り付ける方法が一般に用いられています。写真は、3分ボルトに角パイプとハンガーと吊元金具を地組し取付けた状態のものです。この仕様は手間がかかるため、座屈防止材を後付けする場合もあります。
施工状態 | |
吊ボルト地組 下部 金具:LGハンガー |
吊ボルト地組 上部 金具:スライドLGフック |
・天井面の構成材
天井面の構成材は、野縁受け・野縁ともに、C形鋼(リップ付き溝形鋼・ライトゲージ(LG))が主に用いられています。
断面はC-40・C-60、より大きな強度を求める場合は、C-75・C-100が使用されています。ここではC-60x1.6tを使用しています。野縁間隔は、金属板によって定まります。
野縁受け 施工 金具:LGハンガー |
野縁 施工 金具:十字止金具 |
※注:野縁間隔が@1000、吊りボルトが標準的な@900であれば、特定の位置でハンガーとクリップが干渉する恐れがあります。金属板の下地への固定位置はあらかじめ決まっているため、金具の位置調整が難しくなります。天井板の割付に応じて、事前に吊りボルトピッチの検討が必要です。
・野縁を交差させる場合(クロス野縁)
金属板は、外周を下地に固定します。スパンドレルは長手の1辺を下地に固定し、反対側を隣接する材に差し込み嵌合する仕組みです。
金属板の4辺を固定する場合、従来の野縁に、追加野縁をクロスさせた下地とします(以後、クロス野縁)。クロス野縁を野縁に固定するための金具としては、平行クロスジョイント、CTジョイントがあります。
下写真では、CTジョイントを用いていますが、施工の手順として、クロス野縁の片側を地組で取付けた後、位置合わせをしながら他方を現場の野縁に合うよう取り付けています。
・振れ止め・耐震ブレースを取り付ける場合
次の条件では、水平・斜めに振れ止め・ブレース材を取り付けます。
・耐震仕様の場合
・天井懐が1,500mmを超える場合
特定天井に該当する場合、特記に耐震仕様が求められている場合には、天井懐が1,500mm以下でも斜めブレースが一定数必要になります。斜め材を取り付ける場合、角パイプは上部を100mmほど短くし、ナットで挟み込む必要があります。
3.金具一覧
上記で記載した天井のうち、C-40x20x10,C-60x30x10を下地材とする場合の当社金具一覧です。
4.まとめ
金属板用の天井下地構成例をご紹介しました。
耐風対応、温度変化による伸縮対応など、様々な検討のうえで納められています。
上記に示した金具に興味がありましたら、当社の製品情報・デジタルカタログをご覧ください。
参考図書:1)JASS26 内装工事 4.2.7,日本建築学会
参考図書:2)公共建築工事標準仕様書,国土交通省
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2021年4月14日時点の情報です。