新商品のご案内!ナットカバー
能重製作所は、ハンガーが吊りボルトから脱落・落下する事を低減するための部品:ナットカバー を開発しました。1.ナット脱落防止製品の開発背景
吊り天井の脱落を防ぐためには、外力に対する強度設計(外力よりも天井全体の強度を大きくする設計)の他に、天井が損傷した際に、人が活動している高さまで落下しないよう安全装置を取付ける方法があります。既存物件では、この脱落防止の対策をして、災害対応をしている天井もあります。吊り天井では、地震等により各接合部で脱落現象が発生することが分かっています。
そのうち、ハンガー接合部の脱落原因として、
①ハンガーから野縁受けが外れる。
②ハンガーを留めているナットが緩み外れる。
(振動によりハンガーを留める上下ナットが緩み、徐々に下ナットが下がり、全ネジボルトから脱落し、一緒にハンガーも脱落)
の2パターンが考えられます。
地震後に天井裏を点検すると、天井は落ちなかったが、ナットが外れている、ハンガーが外れているといった②の事例も挙がっています。天井が周囲の壁などにぶつかった衝撃力が原因と考えられます。一つのハンガーだけが外れても地震に持つかもしれませんが、複数外れると、吊りボルト1箇所にかかる力が増大し、天井崩落の危険性がでてきます。
①に対応する製品としては、当社でもハンガー開きま栓などの商品がありますが、②に対応する製品が、業界的に存在しなかったため、新製品として検討してきました。
2.ナットカバーの特長
本製品の特長として、①地震の揺れに対し、ナットが緩み吊りボルトから外れる事を低減します。
実際に振動試験をおこない、本製品を取り付けた場合には脱落しなかった事を相対的に確認(比較試験のみ)しています。
ナットカバーがない場合、振動により、徐々にナットが上下に移動していることが動画から分かると思います。地震後に天井がゆがんでいる(不陸がある)場合、このようにナットが緩んでいることも考えられます。
左:ナットカバーなし、右:ナットカバーあり
②取付が簡単
ハンガーをセットした後、手で差込み、端部を折り曲げハンガーに固定するだけでセット完了です。後付けが出来るため、改修工事など既存物件での工事や、狭い空間での作業においても簡単に取り付けられます。
③幅広いハンガーに適合
ハンガー板厚 1.6-3.2mm
ハンガー幅 22-35mm まで対応可能です。
④検査における損傷度合いの明確化
一度緩んでしまうと、次の振動で、動画のようなナット脱落現象が起きやすくなってしまいます。しかし、点検口からの目視検査で、この微少な緩みを全体的に確認することは困難です。一方、金具が取り付けてあれば、脱落低減にもなり、仮に地震の影響があったとしても、ナットの状態を「ナットカバーがハンガーから外れているかどうか」で確認できるため、状態の把握がしやすく検査作業も非常に効果的になると考えています。
3.製品に関する問合せ
本製品は、ハンガーが吊りボルトからの脱落低減を図る製品です。ハンガーからCチャンネルが脱落する恐れがある場合には、別途、ビス付きハンガーを使用するか、ハンガー開きま栓をご利用ください。吊り天井の脱落低減をご検討の際には、是非、『ナットカバー』の採用をご検討下さい。
※当製品は、特許申請中です。※2019/12振動試験動画の追加