
・構成部材の説明
・組立例
作成日:2021年04月14日(令和3年)
最終更新日:2025年05月14日(令和7年)
1.はじめに
2重天井(吊り天井)の仕上げ材として、石膏ボード・ケイカル板・岩綿吸音板が一般的に利用されていますが、エントランスなど見栄えを求めたり、湿気の多い場所などでは、樹脂パネル・金属成形パネル(以後、金属板)が仕上げ材として用いられます。
ここでは、金属板を想定した吊り天井の下地構成例(耐風圧仕様)をご紹介いたします。標準仕様書(14.6節)では、【~下地は特記による。特記がなければ、4節(軽量鉄骨天井下地)による。】と記載があります。個別の詳細仕様については、特記をご確認ください。
金属板の形状は、デザインにより様々です(例えば1m x1m)。
2.金属板天井の下地例
2.1 吊り材の構成


耐風仕様の場合、角パイプ□-19x19x1.6tを座屈防止材として3分ボルトに取り付ける方法が一般に用いられています。写真は、3分ボルトに角パイプとハンガーと吊元金具を地組し取付けた状態のものです。
2.2 天井面の構成


天井面の構成材は、野縁受け・野縁ともに、C形鋼(リップ付き溝形鋼・ライトゲージ)が主に用いられています。
C60同士の組み合わせが一般的ですが、強度を求める場合にはC75・C100が使用されています。当社ではC75等クリップの特注加工を対応しておりますので、カタログに記載がない場合でもお気軽にお問い合わせください。


野縁間隔はパネルの大きさによって変化します。野縁間隔が@1000、吊りボルトが@900であれば、特定の位置でハンガーとクリップが干渉する恐れがあります。金具サイズが大きくなるため、金具の微調整が在来天井に比べ難しくなります。割付に応じた吊りボルトの検討も大切です。
2.3 野縁を交差させる(クロス野縁)


1m角の金属板を想定した下地です。4辺をビスで固定する場合、従来の野縁の他、野縁と直交(クロス)する方向にも野縁を設けます(以後、クロス野縁)。ハット曲げ部材を野縁に追加で取り付けることもあります。クロス野縁を野縁に固定する金具には、平行クロスジョイント、CTジョイント、クロスジョイントがあります。
CTジョイントは、クロス野縁の一方に金具を取付けた後、位置合わせをしながら他方を野縁に合うよう調整して取り付けています。

平行クロスジョイント

CTジョイント

クロスジョイント
2.4 振れ止め・耐震ブレース

ブレース例

ワンタッチブレース

角パイプホルダー

ハグロック
次の条件では、水平・斜めに振れ止め・ブレース材を取り付けます。
・耐震仕様の場合
・天井懐が1,500mmを超える場合
特定天井、特記に耐震仕様が定められている場合には、天井懐が1,500mm以下でも斜めブレースが必要になります。斜め材を取り付ける場合、角パイプは上部を100mmほど短くし、ナットで挟み込む必要があります。
特記仕様によっては、水平振れ止めを1.5m以下で入れる必要があります。
3.まとめ
金属パネル用の天井下地の構成例をご紹介しました。
十字止金具C75・C100用は在庫しておりませんが、特注でご対応できます。
また、C100 & C65といった上下で異なる断面においても特注可能です。
ご不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
参考図書:1)JASS26 内装工事 4.2.7,日本建築学会
参考図書:2)公共建築工事標準仕様書,国土交通省